【考察】けものフレンズというアニメ

けものフレンズというアニメが今、爆発的な勢いで話題を巻き上げている。

簡潔に、女の子に擬人化された動物たちが互いに手を取り合って困難を乗り越えていく、というお話であり、キャラクターも非常に可愛らしく、声も非常に特徴がありキャッチーで、番組の構成もとてもスマートである。
OPもとてもいい曲であり、iTunes storeでもたくさんダウンロードされているようだ。

そんな、アニメ版けものフレンズであるが、どうにも世界観が少し特殊だ。
ツイッターで「#けものフレンズ考察班」というハッシュタグが生まれるほどで、なかなかの勢いも拡散力もあり、日々TLで見かける。


サーバルちゃん。かわいー!

昔から当ブログを読んでくれている稀有な方々ならご存知だと思うが、その質や深みはさておき私は考察が大好きである。この、けものフレンズも例に漏れず考察したい欲が止まらない作品として毎週楽しみに視聴している。

けものフレンズも重要なワードや描写は各所に散りばめられてはいるものの、そのひとつひとつが非常に小さく、まだまだ人によってどうとでも取れるような内容になっている。

前述した「#けものフレンズ考察班」を目にする機会も多くなってきた今、まず自分の中で思っていることをまとめたい!と思い、本記事を執筆した。
執筆後に、晴れて色々と調べて追記した部分は頭に「>」の記号をつけている。
後から書き加えた情報なので前後で破綻している部分があるかもしれないが、そこはご容赦頂きたい。

2017年2月15日の、アニメ本編6話視聴時点での考察となるため、6話まで見ていない方は是非見てから一緒に考察を深めたい。
7話以降を視聴してから当ブログを訪れた方は、「ああ、こんなこと考えていたんだな」程度で読み流してほしい。




ジャパリパーク
サーバルちゃんをはじめ、多くのフレンズが住む場所。

元々はサファリパーク的な場所としてヒトが運営していたと思われる。
日本語を共通言語としていることと、"JAPAN" "SAFARI"合わせて"JAPARI"であると推測されることから、舞台は日本であると考えられる。


●フレンズ
ジャパリパークに住む、ヒトの少女の姿をした生き物。

元々は動物であったとは思うが、一話のサーバルちゃんの「昨日のサンドスターで生まれた子かな?」という発言より、動物がサンドスターの力によってフレンズという生き物に変えられたというより、動物として定義されているものから特性を引き継ぎ新たに生み出された生き物ではないかと考える。

OPテーマの「けものはいても のけものはいない」という歌詞や、本来食物連鎖において上下の関係にあるような仲であっても食すことなく共存していることから、友達・仲間という"Friends"から来ていると思われる。
しかしながら、一話でサーバルちゃんが「もうお友達だから」と発言しているように、フレンズと友達は別物として認識されている。
ここで、1つの種族で1人のフレンズしか出てこないところや、今のところ登場人物(?)が全て雌個体であるところにも疑問が湧く。(これは大人の都合という可能性が大きいと思うが)

>アプリ版でも1つの種族で2人登場ということはない模様。
>また、雌固体しか登場しないのは「そういうものだから」だそう。


●セルリアン
液体か固体かわからない、謎の生き物。

現段階では、
・フレンズとは別の生き物である
・フレンズを襲う
ことしかわからない。

石のようなものが身体のどこかに存在し、そこが急所となっているよう。
私の推測が正しければ、セルリアンもサンドスターより生み出された存在であるだろう。

>アプリ版ではサンドスターが降ってくるのと同時に出現し襲い掛かってくる敵、という存在だそう。
>セルリアンに関しては、正直害悪を与える存在としか考察が及んでいない。(私の中で)


●サンドスター
前述した、動物がフレンズに変えられた要因。

ジャパリパークにある火山から噴き出るらしい。
一話の背景で火山はもちろん、地面からも吹き出ている様子が見られる。
また、火山以外にもフレンズが大きな動作や技(?)のようなものを放つときや、セルリアンが弾ける時にも発生する。
"sand"には寿命という意味もあり、前述のように、新たにフレンズとセルリアンが生み出される要因となっており、このサンドスターを消費して生命を保っていると考える。(考えたくはないが、おそらくフレンズが弾ける時もサンドスターが発生する?)

>アプリ版ではセルリアンは輝きを奪うようで、勇気という訳でも成り立つかもしれない。
>また、衝撃の事実として、サンドスターの影響が及ばない地域に出ると元の動物に戻るらしい。
>さらに、機械だろうが架空の生物だろうがフレンズ化させてしまうらしい。
>この事実はかなり大きく、今までの考察が前提から崩れ落ちている部分もあるかもしれない。


●ラッキービースト
小さな二足歩行の生き物。フレンズたちにはボスと呼ばれている。
カバンちゃんとは会話をするが、カバンちゃん以外とは会話をしない(できない?)様子。

おそらく、生き物ではなく機械であると思われる。パークの案内をしたり、パーク内のバスを操縦できることから、パークの案内用に開発された案内用ロボであると考えられる。
また、通常時の機械仕掛けの音声、特殊時のヒトのお姉さん音声の、どうやら二種類のモードがあるらしく、カバンちゃんの帽子(?)を見ると特殊モードに変化する。通常時は若干の人工知能を搭載しており、特殊時は完全に制御されたモードであると推測する。

この、ラッキーは"lucky"ではなく"lackey"で、従事する獸、つまりヒトの案内を従事するようプログラムされたけもの型ロボではないかと考える。ここで、カバンちゃんにしか反応しないことから、カバンちゃんがヒトである説が補強される。

また、このラッキービーストの中で最も気になる発言として、二話冒頭のジャパリパークの説明で
「それぞれに動物、植物が展示されているんだ」
「フレンズと呼ばれる生き物たちで、彼女らは動物とその遺物と...」
と、相反する発言をしている。
植物はわからないが、おそらく、動物とフレンズは共存していない。
ボスの通常時の人工知能が、フレンズ化のことを認識しており、自分で発言をアップデートしたのかもしれない。そんなボスでも、サンドスターが実際どういうものなのか判断がついていない。

>カバンちゃんの帽子は、アプリ版でジャパリパークの案内役の先輩?が着用していた帽子と同じらしい。(本当にまんま)
>サンドスターが機械もフレンズ化させるってことは、ラッキービーストは既にフレンズになっているのだろうか。
>また、サンドスターの影響下であってもサンドスターが非常に弱い場所には、動物のままの子も存在するのだろうか。


●ジャパリまん
フレンズたちの主食。

草食・肉食も関係なく動物はフレンズ化してしまったため、同一種族(ヒトでいう人種の違い程度の認識)になってしまい、食物連鎖が崩壊。ゆえに、彼女たちが生きるために食すものとして、ジャパリまんが生まれたと推測する。
しかしながらこのジャパリまん、素材や製造法等一切不明で、誰が作ってどうやって流通させているのか全くわからない。飢えた子や、食料をめぐる争いが起きていないことから、安定的に十分な量が流通されていると読み取れる。

四話で、ツチノコちゃんが通貨の説明をする際「今のジャパリまんのように色んなものと交換...」と発言していることから、物々交換の文明があり、共通通貨としてジャパリまんが用いられていると考えられる。


ツチノコちゃん
四話で登場するツチノコのフレンズ。完全に小林ゆうさん。

フレンズの中でも特に重要な存在であると考える。
まず、おそらくだがツチノコは実在しない動物である。(実在したらごめんなさい)
空想上の動物、つまり自然界で発生したわけではなく、ヒトの想像した生き物である。
ということは広義に人工物といえ、ラッキービーストと同様の立ち位置にいるのではないかと考える。
物語の全貌を知っているような態度や、四話の舞台が貴重な遺跡であると認識していること、通貨という概念を理解していることから、頭脳は相当高いレベルであると推測できる。

さらに、ツチノコちゃんは何気ない一言で物語の世界観を一気に明らかにする。

「やっぱりここはヒトを楽しませるためにわざわざ作られたんだ。多分、正式に使われる前に例の異変が起きて、だから地図には載っていなかったんだろう」

ジャパリパークはやはりヒトのために作られた施設であり、開園前に異変(サンドスター、セルリアン発生?)が起きて開園されることはなかった、と。(補足する必要のないほどツチノコちゃんの発言は明確です、かわいい)

また、カバンちゃんは、誰も何のフレンズかわからないでいたが、ラッキービーストの挙動により、確信を持ってヒトのフレンズであることを見抜いている。四話終盤の「あいつ、絶滅していなかったのか」との発言より、ヒトが絶滅したかもしれないという考えを持っていたこともわかる。

カバンちゃんの正体に関して、六話でハシビロコウちゃんがカバンちゃんがヒトのフレンズではないかと問いかけるが、ここに関しては次週を待ちたい。

>アプリ版ではツチノコの他に、人面魚やキュウビキツネ等、ツチノコ以外にも空想上の動物が多く登場している模様。


●図書館
ジャパリパークのどこかにある施設(?)。

図書館といえば本が沢山置いてある場所を想像するが、一般的なフレンズたちが図書館の本を読めるとも思えないし、サファリパークに図書館という存在は少し違和感がある。
また、フレンズたちの「図書館で教えてもらう」「図書館で聞け」との発言から、図書館は自ら能動的に調べる行為をする場所ではないのかもしれない。(ここまで素直でかわいいフレンズたちがわざわざ擬人法を用いているとも思えない)
もしかすると我々が想像する図書館とは少し違うものなのかもしれない。

フレンズたちは、図書館以外でわからないことや頼る存在として博士というものを引き合いに出す。
この、博士と図書館がどのような関係にあるかはわからないが、もしかすると博士は本が読むのが得意なフレンズで、図書館で教えてもらうとは、すなわち博士に教えてもらうと同義なのではないかと推測する。

>アプリ版を調べたところ、アフリカオオコノハズクちゃん、バビルサちゃんが博士っぽい呼ばれ方をされているが、この二人のどちらかが作中の博士であるかどうかは不明。


●時間軸
これまでの事実となんちゃって考察より、おそらく作中の現在は人類が絶滅してしまった世界であると推測できるが、では一体絶滅してからどれだけの時間がたっているか、が次に気になるポイントである。

バスが電池さえ充電すればまだ動いたり、近くに活火山がある中でソーラーパネルが手入れなし(?)で動いていることから、そこまでの時間はたっていないと考えられるが、決定的となったのが紅茶の存在である。

アルパカちゃんが経営(?)するジャパリカフェでは紅茶が提供されているが、紅茶の入れ方自体はハ↓カセに教えてもらったンのらしいが、紅茶の茶葉自体の製造法は教えてもらっていないはず。とすると、元々製造済みの茶葉を使用して紅茶を入れるしかない。
紅茶の賞味期限はどれだけ長くても三年、消費期限を倍としてもたかだか六年程度である。
アルパカちゃんに入れてもらった紅茶に対しておいしいとの発言をしていることから、風味が消えてしまったり酸化してしまっているとは考えにくい。

つまり、ジャパリカフェに残されていた茶葉は、ここ数年でヒトの手によって用意されたものであると推測できる。

なぜヒトが絶滅してしまったかは不明だが、カバンちゃんがヒトだとすれば、かなり短いスパンでの復活である。(カバンちゃんが生き残りということも考えられるが)


●学習
カバンちゃんから教えてもらったことをフレンズが実行する場面は多々あるが、カバンちゃんが教えることがなくともフレンズの間で文明は進歩している。

代表的な例は、三話である。前述したが、アルパカちゃんは博士に教えてもらって紅茶の入れ方を学んでいる。(博士がフレンズじゃなかったらごめんなさい)
また、一話で手を使わずに水を飲んでいたサーバルちゃんは、三話ではコップに顔を突っ込むではなく、きちんとコップを持っている。これは、アルパカちゃんが運ぶ際の動作を見て、見よう見まねで学んだと推測できる。(カバンちゃんと同時に持って飲んでいることから、アルパカちゃんからの学習と読み取れる)

サーバルちゃんの洞察力は素晴らしいものがあり、ラッキービーストがハンドルを握ってバスを運転することはなかったが、バスの動きに連動してハンドルが動いていることを見抜き、誰に教わるでもなくハンドルを操作している。(操作方法までは理解が及んでいないが)
謎の自転車の乗り物に関しても、説明を受け操作している。

六話では、ライオンちゃんたちとヘラジカちゃんたちが、ルールはよくわからないが、争いにおいて違う種族同士で共闘という手法を用いていた。

しかしながら、カバンちゃんの助言により、フレンズの文明レベルは飛躍的に上がる。
例えば文字を使ったり、道具を使ったり、分業を教えたり、争いの解決策を教えたり。(道具に関して、ライオン軍とヘラジカ軍が用いていたのには正直驚いた)

このように、ヒトの介入なしでも文明は少しずつ発展しているが、「ヒト」の介入により飛躍的に文明レベルが向上している。




さて、ここまで事実と感想と考察を入り混じりで書いてきたが、

・人類はなぜ絶滅したのか
・誰が何の目的でサンドスターを生み出したのか

疑問はこの二点に収束すると思う。


人類の絶滅理由に関しては正直よくわからないが、サンドスターに関しては自分はふたつ考えがある。

ひとつは、神様がヒトに対しての救済措置として一回だけ他種族との共存の機会を与えてくれた説。
それぞれが大きく違う見た目であったからうまくフレンズになれず、また、同じ種族が複数いすぎ、他の多様性や特別性を認めることができなかったため、全て構造上見た目が同じで1つの種族につき1人、このジャパリパークという小さな世界で復活させたのだろう。

もうひとつは、ジャパリパークは実験施設である説。
人類は実は絶滅しておらず、動物をヒトと同等の存在へと昇華させるサンドスターを発明し、動物にヒトと同等の体格と基本的知能を与え閉鎖空間に閉じ込めた場合、どうなるかを調べる為。その目的や目標は不明だが。




つまるところ
けものフレンズたのしー